男子バレー

もう見ててげっそりする。
決してメンバー個々のポテンシャルが低いわけではないのに、問題点が多すぎて完全に破滅してる。
個人的に致命的だと思ってるのが、
・強気の意味を勘違いしていること
・コート内にチームの頭を冷やすことが出来る人間がいないこと
の2点ではないかと。


一番最初のは分かりやすい。
相手がすでに20点を越え、こちらが4,5点のビハインド背負ってるときに、山本や宇佐美は全力でサーブを打ちに行って、サーブミス。
これが代表的な場面であろう。
どうも世間には、「気持ちで上回れば何とかなる」というわけの分からない信仰が蔓延してる気がするのだが、もちろんそんなわけはない。
いや個人的には、最終的には魂とでも言うべき人間の精神力がどんな状況をも打開するという考えは、まんざらでもない。
しかし私が考えるに、それは本当に最後の最後、絶体絶命みたいな極限ギリギリの状況で、ほんの少しだけ発現されるものに過ぎないと思うのだ。
ありえないレシーブが1cmだけ間に合ったとか、ブロックに当たったスパイクが1cm内側に落ちてアウトを免れたとか。
そういう、わけのわからない力が働いたのでは?ってのを、人間の精神力によると考えるのはアリだと思うし、ぶっちゃけその考え方が好きなのである。
しかし、あらゆる場面で気持ちが物理を凌駕するなんて考えて行動するのは、はっきり言って怠慢以外の何者でもないだろう。
強気のサーブでサービスエースを取りたいという気持ちは分かる。
どう考えたってインパクトが強烈だし、流れが一気に持ってこれるのではと考えたくもなろう。
しかも状況は上記のようなかなり苦しい場面である。決まれば効果的な方法に頼りたくはなる。
でもそれは、残酷な言い方をすれば、逃げ道をも作り出しているのだ。
「あの苦しい状況でこそ強気にサーブを打ちました」と言えば、誰も面と向かって文句は言えない。
でも言いましょう。あそこでミスの多い山本や宇佐美が全力でサーブを打つのは、どう考えても間違っています。
相手のコートにサーブを入れて、向こうのスパイクをブロックするという一見余計苦しい流れを選択するほうが、間違いなく効果的です。
日本チームのコート内には、冷静になってメンバーをまとめられる人がいません。
みんな能力はあるのに、心身のバランスがとりきれていない、頭に血が上ってしまう人ばかりです。
宇佐美は意地になって山本にトスを上げ続け、中国戦を敗退しました。
また、コートの中だけではありません。
キャプテンの小林も馬鹿です。
彼はさっき言ったような状況で交代してコートに入った後、サーブを打つ宇佐美に向かって、「迷わず強気に打て」と焚きつけたそうです。
私はこの話をベンチリポートの三宅アナが伝えたとき、頭を抱えました。
今までコートに立っておらず、チームに冷静さを与えることの出来る選手が、どうしてチームの馬鹿メーターを加速させたのか。
まったく理解できませんでした。
そして宇佐美はそのサーブを外して、迷わずいっても(まあ結局迷いがなくなったのか不明だが)そんな精神論じゃどうしょうもないことを体現。
要は神通力にすがる前に、自分たちでできることをMAXまでやりきれって当たり前のことが言いたいんです。
本人たちはやってると言うと思いますが、第三者から言わせてもらえばその姿勢は見てとれません。
また話は戻りますが、日本のコート内に冷静になれる人がいないのも致命傷です。
コート内の選手は山本、マルコス、甲斐、宇佐美など、気持ちが強く決まりだすと止められなくなるという人がほとんどです。
しかしこういう選手は、良い方にも一直線ならば、悪いほうにも一直線である危険性が往々にしてあります。
山本なんかは初戦ではサーブを抑えて打っていたのに、ここ2試合はだいたいホームランになる強さで打ってます。
たまーにサービスエースになるんですが、けして心身が高いレベルで安定して出た好プレーではないから、その次のサーブはだいたいミスになります。
コート内にはこんなやつばっかです。
もちろん彼らの破壊力は大きな武器です。
しかしどこに向かって打つのか分からない戦車ほど怖いものもないでしょう。
コート内には彼らの気持ちをコントロールできる人がいないんです。
だからみんな一緒になって調子いいときはバカスカ決めて、いったん下り坂になると、どこまでも転げ落ちます。
こういうときに加藤、細川というチームに安定感を与えられる選手が控えにいるのに、全然うまく使えてない。
とくにこの二人で言えば、加藤の使い方があまりにも酷い。
まだ腰が治りきってないならしょうがないが、出てきて宇佐美がトス回したところを見たことがないです。
仲悪いんだろうかと勘繰りたくなります。
昨日なんか山本が疲れてたから、彼をちょっと休ませるために出て行かされたわけです。
加藤は山本の尻拭い程度しか出来ないのか?
こんな不本意な使われ方をする選手がいたら、チーム全体の士気にも影響あると思うんだが…。


あー無駄に長くなった。
なんかまとまる気配がないのでこのへんで止めておきます。
最後に一つ。
なんでここまで部外者のくせに偉そうに書けるのか。
それは加藤が不憫で仕方ないからです。
あの使い方はないよ…。あまりにも酷い。
コートにいるスタメンはチーム全体をオリンピックに連れて行くという義務を背負って試合に出てるわけです。
でもそういう気持ちがあるのか、こっちからはないように見えます。
自分がサーブを決めて何とかする、自分がオリンピックに行くために頑張る。
そんな風にしか見えないオレはひねくれてるでしょうか。
もはやオリンピック出場はほぼありえないようです。
加藤の腰が大丈夫なら、残りの試合で使ってあげて欲しいです。